リサーチャーのハルマキが担当します。
セルフレジリエンス™を高める、山本シンジ先生の「みようみまねのシャドーボクシング」面白いですね!

そうなんです。プロが使う心理療法のテクニックのようにそんなに頭を使わなくても、普段の行動でもセルフレジリエンスを高めることができます。


その1つが、運動です。

現在はコロナ禍なので難しいですが、東日本大震災の被災地ではスポーツや体育関係のイベントがたくさん行われていましたよね。

このイベントの目的の1つには、セルフレジリエンスを高めることがありました。運動といっても色々ありますが、今回は特にダンスや散歩に注目してお話します。


皆さんはダンスの語源を知っていますか?
調べて見たら、ダンス(dance)の語源は生きたいという望み(desire of life)だそうです。
セルフレジリエンスはしなやかな立ち直りを意味しますが、立ち直りを支える想いを表現することがダンスと言えそうですね。

ダンスがセルフレジリエンスを高めることには、科学的なエビデンスもあります。2016年に高橋氏と山本氏が発表した研究によると、即興性のあるダンスの実習を通して大学生とその教員のセルフレジリエンスが高まったことが分かりました。(※1)

大人になると、なかなか自分らしさを発揮できませんし、自分らしさを他の人に認めてもらうこともあまりありません。しかし、このダンス実習では他の人と交流しながら自由な発想のもとで自分のイメージを身体で表現でき、またみんなに見てもらえました。
「最初は気恥ずかしかったものの、少し勇気を出して踊れば子どもの頃に経験するような自由や創造性、有能感を得て楽しかった」そんな感想が学生から聞かれました。
このようにダンスという自分の全部を使って表現したものをみんなに認められたことで感情が安定し、セルフレジリエンスを高めたのだと考えられます。


とはいっても、シャイな人にとっては創作ダンスを踊るというのはハードルが高いですよね。日常生活における運動量が多いほどセルフレジリエンスが高いというエビデンスもある(※2)ため、ダンスではなくても、セルフレジリエンスを高めることができます。

運動するとセロトニンという脳内の神経伝達物質が分泌されるのですが、セロトニンが気分の安定に作用するためです。

これは、山本シンジ先生がシャドーボクシングの動画の中で言ってますね。

運動音痴な私が特におすすめしたいのは、ずばり散歩!シャドーボクシングもダンスもそうですが、散歩もトッコトッコとリズムのある運動ですよね。

こういったリズムのある運動のほうがよりセロトニンが分泌されやすいためです。

また、運動がセルフレジリエンスを高める理由はセロトニンだけではありません。例えば、テニスが好きな人はテニスサークルに入ることが多いと思いますが、そうすると友達ができますよね。
特に仲の良い友人は何かあったときに皆さんをきっと手助けしてくれるでしょう。また試合のあるスポーツをしていると、「試合に勝ちたい!」という想いを抱きますよね。こういった適度な張り合いもセルフレジリエンスを高める効果を期待できます。
この点でもボクシングは、マッチしますね!

セルフレジリエンスを高める4つ目の方法として、運動をご紹介しました。運動好きな方にはピッタリな方法だと思います。

次のコラムではセルフレジリエンスを高める方法として対人関係スキルをご紹介します。きっと仕事でも活用できると思いますので、期待してくださいね!

※1 高橋和子・山本光「レジリエンスを高めるダンスの有効性に関する研究―大学生および教員を対象として―」

※2 小島令嗣「身体活動とレジリエンスの関連-自衛隊員における検討-」