今回も、リサーチャーのハルマキが担当します。

逆境や困難を乗り越えられる人の特徴ってなんだと思いますか?
「それは、間違いなく強い性格の持ち主!」と思う方が多いでしょう。
私も、その井さんに逢う前はそう思っていましたww
でも逢ってみたら彼女から「強さ」は感じられませんでした。いつも笑顔でしなやか、とても柔軟な人です。
だからこそがんと介護という人生最大の逆境イベントも乗り越えられたんだ、そう確信しました。

ここまできて、私、ハルマキはこのセルフレジリエンスでいうところの「しなやかさな強さ」と、一般的な「無敵の強さ」を混同してしまうと、皆さんを混乱させてしまうかもしれない。
そう思ったので、今回はセルフレジリエンスの強さの本質をお話ししたいと思います。

強い性格ってなに?

強い性格というと、皆さんはどんな性格を思い浮かべますか?
特にストレスに強い性格というと、逆境や困難などを自分の成長の機会と捉える前向きな性格「ハーディネス」が心理学では有名です。
逆境や困難を、乗り越えるべき試練だ!と考えて前向きに取り組むため、この「前向きハーディネス」の人が不安になったり、落ち込んだりすることはめったにないのです。

でもいくら前向きな人でも、困難に対処するためには頑張らなくてはなりません。
そうすると、血圧が上がったり、脈拍が早くなったりして、身体に負荷がかかります。
仕事のプロジェクトのように一区切りがあれば適度に休めるため、 「前向きハーディネス」 は有利に働きます。


しかし、親の介護のように長期戦で臨む問題となると、いつかは心と体が悲鳴を上げてしまいます。

また、コツコツ頑張ることが日本人の美徳とされていることから、問題に正面から粘り強く取り組める「コツコツ固執性」も「強い性格」といえます。
仕事をする上では、固執性も重要な性格。とはいえ、この固執性があまりに強い場合、1つのことにこだわり過ぎてしまって大局が見えなくなってしまうことも。一長一短がありますね。
がんや介護には、正しい答えはありません。
色々な方法を探ったり、他の人の助けを得たりすることで解決できる部分が多いのです。

セルフレジリエンスの6つの要素の中に、
「6.楽観するチカラ」があったように、楽観主義もストレスに対抗できる強い性格です。
楽観的であることはストレスへのクッションとなるため、落ち込みや不安が小さくなり、落ち着いて問題に対処できます。
しかし、楽観も強くなりすぎると、危険です。現実を自分に都合よく解釈しがちになり、結果として問題を深くとらえず放置することも…これも一長一短。
時間が解決してくれる問題もありますが、がんや介護は放っておくと悪化します。

セルフレジリエンス™が考える「強さ」とは?

ここまで、強い性格を、
・前向きハーディネス
・コツコツ固執性
・楽観主義
と3つ挙げましたが、これらとセルフレジリエンスの強さの特徴は違います。


セルフレジリエンスでは逆境や困難をちゃんと「つらい、しんどい」と感じます。これは弱さではありません。
むしろ、これから問題に取り組むための出発点になる「構え」の感情。冷静になれる非常に大切な感情です。


問題を冷静に見つめることができると、色々な方向から問題解決に向けて動き始められます。
そうです、セルフレジリエンスの強さとは、傷つくことやストレスの感情を抑えずに、凹んだボールが元に戻るように、ダメージからしなやかに立ち直ることなのです。

どんなことがあっても心も身体も傷つかない無敵な性格があればよいのですが、少なくとも現在の心理学では見つかっていません。

これからの記事では、セルフレジリエンスを高めるための方法をいくつかご紹介していきます。自分に合っている方法や、試してみたいと思う方法があれば、ぜひ実践してみてくださいね。