リサーチャーで実験心理学者のハルマキが担当します。
【No.2】では、セルフレジリエンス™の元となる「レジリエンス」の説明をしました。

物理学の用語で、ボールがへこんでも元に戻る「回復力」や「しなやかな弾性」を意味する英語。と申し上げました。

感染症や自然災害、経済問題など。私たちを取り囲む逆境は大規模なものになり、現在ではさまざまな領域からレジリエンスが注目されるようになっています。
コロナ感染症と自然災害に見舞われている「緊急事態」の今、日本の国レベルでもレジリエンスが必要になってきました。

そのため、2ヶ月前の2021年6月には「ニュー レジリエンス フォーラム」という組織も発足されました。

セルフレジリエンス™ ~6つの要素~

セルフレジリエンスには6つの要素があります。(※)

  1. 気づくチカラ:自分の気持ちや行動などを、ちゃんと認識するチカラ。追いつめられるとパニックを起こしてわけがわからなくなっちゃいますよね。
  2. コントロールするチカラ:自分の気持ちや行動などを、コントロールするチカラ。自分という車は自分で安全に運転しないと暴走するし事故ります。
  3. 問題をはっきりさせるチカラ:さまざまな観点から今の状況を考えて、問題の原因をはっきりさせるチカラ。これが見えない人が多い。
  4. 強みをいかすチカラ:自分の強みをいかして、自分の人生を創りだすチカラ。 強みは人によってさまざま。自分では気づかなかった強みを見付けたいところ。
  5. 信頼関係を築くチカラ:他の人の感情=心を察して、信頼関係を築き、それを維持するチカラ。
  6. 楽観するチカラ:逆境に自分は対処できるという自信。根拠がなくても「大丈夫、乗り越えられる」と思い込める楽観のチカラ。

論文をリサーチすると、2.コントロールするチカラや 6.楽観するチカラは、生まれつきその人に備わっているものと書かれています。
悲観的な人が楽観的になるのは簡単じゃない、それなりに頑張らないといけないというのが理由。

私もほんの少し前まではそう思っていました。

ところが、明るいその井さんに逢って、つい最近経験した壮絶な体験談を聞いてから、このチカラは自分で獲得できるし、メソッド化できると確信しました。

これから、私たちが開発中のセルフレジリエンスを高めるメソッドをご紹介していきます。

【参考文献】芝浦工業大学教授岩倉成志氏「社会基盤計画の遂行におけるレジリエンス能力―若手技術者に寄せる―」(土木学会論文集 H(教育)/2019 年 75 巻 1 号 p. 48-61