2020-06-26
テーマ:わたしのがん治療
さて、前半に続き、『Over Cancer Together がんを共にのりこえよう』のセミナー会場で、
「同病相あわれむ」仲間から、「がん患者会に入っても、しょっちゅうお葬式の連絡なんか来ないっすよ」(ゲラゲラ)と笑われて、一気に力が抜けました。
な~んだ、、5年前 そう聞かされたけど違ってたんだ。。
あれ❗️初めの情報にずっととらわれ続けるって、今はやりの「認知バイアス」じゃなかったっけ❓
そう、大ファンの脳科学者 中野信子さんやメンタリストDaiGo氏がさかんに言っておられる。
今ごろになっていきなり気づいた。
調べてみたら、心理学でいう認知バイアスの「アンカリング」なんですと。
アンカリングは、米国の行動経済学者でノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン氏と、心理学者のエイモス・トヴェルトスキー氏が『サイエンス誌』で発表。
- 先行する何らかの要素(アンカー/船の錨)によって物事の判断が左右される認知バイアスの1つ
あらら、まさにこれだ。
見事に引っ掛かりました。ははは。
さて、セミナー会場では、仲間ができた嬉しさから、グループを代表して「がん治療と親の介護」について発表をさせていただきました。
わたしは、高齢者が高齢者を介護する「老老介護」と同じように、
がん治療をしながら家族の介護をする『がん老介護』が増えていくのではないか、と危惧しています。
特に2025年から。
理由は3つ。
- 2025年に団塊の世代が75才になり、その子ども世代である団塊ジュニアが50代を迎える。
- 厚生労働省の統計によると、すべてのがんの発症は50代から増加傾向にある。
- さらに親の介護を始めた時の子どもの平均年齢は50.9才(大王製紙調査)
ということは、
50代になった団塊ジュニアが、一斉に介護の問題と自分自身のがん発症の問題に直面して、
わたしのように「がん老介護」を同時経験するケースが爆発的に増加することになる。。
ダブルダメージの仲間が増えるってことね。。
その解決策として、
- 混乱する心をコントロールしてフラットな状態にし、問題解決に向かえる具体的なセルフマネジメントプログラムの開発。
- がん治療のサポート体制と介護サポート体制の横断的連携。
を申し上げました。
2はすんなりとはいかないねぇ。
会場では、インパクトを感じてくれたがん患者さんがたくさんいて、いろいろなアクションがありました。
「もっとたくさんの人に知ってもらうべき問題ですね」
そんなアドバイスがあって、
論文にまとめ、8月に開催された日本最大のがんフォーラム「ジャパンキャンサーフォーラム」で登壇させていただきました。
デコのハゲ上りがひどいなぁ。もう前髪が生えなくなったからね。
会場にはがん仲間が応援に来てくれました。
オオトリを務めさせていただいたド緊張のスピーチ動画はこちらです。
ご用とお急ぎでない方はどうぞご覧ください。
【Japan Cancer Forum2019】がんサバイバーの声を聞こう! Over Cancer Together【第3部】
12分40秒からスタート
このことがきっかけとなって、自治体や企業から「がんと介護の両立について話しをしてくれ」と依頼が来るようになり、新聞社の取材もありで、すべて謹んでお受けしています。
わたしが情報を発信することで、
どこかにいる、闘病や介護で「もうだめだ」「もうあかん」と絶望に襲われている方に、
「だいじょうぶだよ、わたしはダブルでダメージを受けてるけど(おまけに独身でひとりっ子)、でもどうにかなってるよ」
というメッセージが届くよう、祈っています。
こんな活動ができるようになったのも、がんを共にのりこえる仲間ができたから。
孤独な闘病を5年も続けてきましたが、仲間の存在がわたしの生き方を変えてくれたのでした
(おわり)
【NPO法人キャンサーネットジャパン】 https://www.cancernet.jp/
【Over Cancer Together~がんを共にのりこえよう】 http://www.octjapan.jp/
【ジャパンキャンサーフォーラム】https://www.japancancerforum.jp/
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